デザイン水槽でつくる自分だけのパーソナルアクアリウム入門
毎日のことから週単位、月単位ごとに、自宅にあるアクアリウムのメンテナンス作業をまとめました。
道具を整え、水質を調整して水槽を立ち上げたら、いよいよ魚を飼い始めることができます。でも、これで作業がおしまいというわけではありません。
アクアリウムを始めた後は、毎日、あるいは毎月のメンテナンスを自分でしなければなりません。「それが楽しい」という方もいますが、ちょっと大変かも?では、具体的に自宅でどんな作業が必要か見ていきましょう。
基本的には、毎日の作業としてはえさやりだけだと思います。
水草の発育状況によっては、肥料を与えることもあります。これは液体肥料を入れるだけなのですぐ済みます。
照明のオンオフはタイマーで自動的にやってくれるので、気にしなくてOKです。
水質が落ち着いたら、週に1度から2週に1度は水替えが必要になります。水槽の立ち上げ直後は1日1回必要です。
水換えのタイミングで、水槽のガラス面をスポンジでこすります。コケの生えにくい環境なら、もう少し回数を減らすことも可能だと思います。
2週~1ヶ月に1度くらいは、水草を切ります。育つのが早い水草はトリミングが必要になるのも早いので、種類を工夫するとトリミングの手間も減ります。
水をろ過するフィルターは数か月~半年に1度は掃除をする必要があります。これがけっこう手間で、30分~1時間ほどはかかるでしょうか。
ソイルの栄養分がなくなってきたと思ったり、レイアウトを変えたいと思った時は、水槽の立ち上げを新しくすることになります。
ソイルの栄養は1年ほどが目安なので、少なくとも1年に1度はリセットをすることになります。肥料を追加すれば少しはもちますが、いずれソイルが型崩れをして水がにごりやすくなってしまいます。
毎日、週単位、月単位とかなりの手間がかかるアクアリウム。よく聞くのが「初めは楽しかったけど、忙しくなったらだんだんおざなりになった」というもの。ろ過材やフィルター交換、コケの掃除などを怠ると、みるみるうちに水槽内の水が濁り汚れていきます。
ハッキリ言って、汚れたアクアリウムは設置した本来の目的を果たしていません。水槽がただの大きな置物と化すのは、飼育者も魚も悲しいことです。
また、魚が死んだ場合は新しい魚を買いに行かねばなりません。もちろん費用と手間がかかります。
水槽内で何らかのトラブルが起こった場合、まず環境と機器のチェックを行いましょう。行うべきことは3つ。苔の生え具合・水が透明かどうか・魚や水草はどんな状態かといったチェックです。
苔が生えていれば苔をとってあげなくてはいけませんし、水が濁っていれば水替えをしなくてはいけません。魚が病気になっていれば、病気を治すために何らかの対処が必要になります。
環境のチェックが終わったら、次は機器のチェックです。機器類が故障しているなど、正常に機能していないときに水槽内のトラブルはよく発生します。
といったチェックですね。それ以外にもまだまだチェックするべきことはありますが、この5つは必ずチェックしましょう。
機器に何らかの問題が発生していると、苔とりをしたり水替えをしたとしても、結局同じことの繰り返しになってしまいます。まずは機器が正常に動いているかどうかを確認してくださいね。
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アクアリウムを持つ人であれば、誰もが経験するのが水の濁りです。
十分に注意をして、手入れも怠っていないはずなのに、なぜか突然、水が白く濁ってしまうということもあります。水槽の水が濁る原因としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。
「濁る」という現象は微細な粒子が水の中に混ざり、浮遊している状態です。この濁りの原因である粒子として考えられるのは、ゴミや菌の死骸といったものです。悪い菌が増えたとき、逆に有用な菌が増え過ぎたときにも白濁の状態に陥ります。
水濁りが起こりやすい状況としては、次のような場合が考えられます。
それぞれ詳しく紹介します。
水槽に水を入れた直後には、アンモニアや亜硝酸を分解し、水を清浄化するバクテリアが定着していません。この状態のときに、餌の量が多すぎると生体が排出する糞尿が分解されず、水が白く濁ります。
また、ろ過の働きをするバクテリアが増えないうちに、有害なバクテリアの方が多くなってしまい、濁りの元になることもあります。
ろ材や底面でろ過バクテリアが繁殖すると、濁りは次第に収まってきます。
立ち上げからろ過バクテリアが定着するためには、数週間から1ヵ月ほどかかります。その間は餌の量を調整し、エアレーションの稼働時間を長くするように気をつけなければなりません。
同様に水換え後やろ材や砂利を新しいものに入れ替えた後での濁りも、ろ過バクテリアが少なくなった状態です。ろ過バクテリアが不足すると、有毒物質を分解するサイクルがストップしてしまいます。
ろ過バクテリアは、糞や餌の食べ残しから発生するアンモニアを亜硝酸塩に、さらに亜硝酸塩を毒性の低い硝酸塩へと分解する働きをしています。このサイクルの滞りが濁りを引き起こす原因となります。
逆に水替えをしていない場合も、バクテリアの住処となっているろ材や底床が汚れ、ろ過バクテリアが死滅してしまいます。
ろ過を行うバクテリアは好気性細菌と呼ばれる、酸素を必要とする細菌です。汚れがたまり過ぎると、バクテリアが酸素に触れることができなくなり、ろ過機能が低下します。また、酸素は水槽の中の水が汚れていると溶け込みにくくなります。
これにより酸素の少ない中で繁殖する嫌気性細菌が増えると、水質はさらに悪化し、濁りがひどくなっていきます。
栄養豊富な餌であればあるほど、魚から排出される糞尿によるアンモニアは多くなります。特に立ち上げ直後などでろ過バクテリアが定着していない場合などでは、白濁の原因となることがあります。
とても原始的な方法のように思いますが、苔とりは手で行うことができます。ただし、手を使うといっても直接擦って落とすより、小さなスポンジなどを用いて落とす方法が基本です。細かな部分も苔とりがしやすいという点がメリットですね。
多くの人がこの方法で苔とりをしているでしょうが、問題は手が濡れることです。水槽から手を出すたびに拭かないと床が濡れてしまいますし、意外と手間がかかります。また、あまりきれいな状態ではない水の中に手を入れるのってちょっと抵抗がありますよね。
その場合は、以下でご紹介するヘラやスポンジを使った苔とりも参考にしてください。
ヘラは、別名スクレーパーとも呼ばれています。ヘラは刃がついているため、力を加えなくても簡単にコケを削ぎ落とすことができます。水槽の表面についているコケなら素早く簡単にとれる、とてもおすすめの道具です。
ただし、一度に多くのコケをとることはできません。ヘッドが小さいものが多く、すべてを取り終えるのに時間がかかります。とはいえ、ヘッドが小さいことで水槽の隅まで届くので、落とし忘れた苔を残してしまう心配はありません。またバシャバシャと波が立たないので、苔をとっている間でも魚への刺激は最小限に抑えられます。
刃がついているため扱いには気を付けながら、力を加え過ぎずソフトに苔とりをしましょう。
スポンジで擦って苔をとる方法も効果的です。スポンジにも様々な種類があるので、よりとりやすいスポンジを探してみましょう。水槽用として販売されているものでもいいですし、キッチン用品のスポンジでも代用可能です。特に人気があるのは、メラミンスポンジですね。
洗剤を使わずに汚れを落とすことができる、というスポンジです。とても目が細かいので、たくさんついてしまった苔もスポンジが絡めて落としてくれます。
ただしメラミンは細かな傷をつけてしまうこともあるため、水槽に傷がつかないように気を付けてください。ガラス製の水槽ならOKですが、ウレタン製の水槽は傷がつきやすいです。ウレタン製の水槽にはウレタンスポンジをおすすめします。ウレタンであってもメラミンであっても、手を水の中に入れる必要がない、柄のついたものをおすすめします。
また、メラミンスポンジは耐久性がないため、こまめに取り換えてください。劣化して分裂したメラミンスポンジが水中に浮いてしまい、余計に水が汚れてしまう恐れがあるので気を付けましょう。
ゴミや不純物が舞い上がって濁りの原因となっている場合には、水換えを行い、フィルターのろ材を目の細かいものに変えるなどの対策を取ります。
水換えは一度に行ってしまうとバクテリアのバランスを崩す可能性があるため、1回に換えるのは3分の1〜半分程度としてください。水流が低床に直接当たっていると、チリが沈殿できず濁りが目立ちます。
フィルターの位置を調節し、ゴミが舞い上がらないように水流の向きを変えると濁りが収まる場合があります。微細な汚れを凝集させる「濁り取り」を使ってみるのも、良い方法です。
バクテリアの繁殖は自然に行われるものですが、環境を整えることでろ過バクテリアのサイクルが生まれやすくなります。
酸素が不足すると、ろ過バクテリアである好気性細菌が増殖できません。水に空気を送り込むエアレーションを行い、酸素の供給を欠かさないようにします。
また、水草の光合成でも酸素が作られます。日中はなるべく光の入る場所に水槽を置くのも、濁り防止のひとつの手段となります。立ち上げ時にバクテリアが不足している際には、市販のバクテリア剤を利用すると、早期にろ過バクテリアを働かせることができます。
水質が合っていないとバクテリアは繁殖できません。また急激な環境変化によって、バクテリアが死滅する場合もあります。白濁の原因にはバクテリアの大量死によって、死骸が水中に浮遊しているということも考えられます。
バクテリアがいなくなる水質上の要因としては、水温、硬度、ph値、塩素濃度、酸素濃度などが挙げられます。例えば夏場、急激に水温が上昇したときや、冬に低温になった場合、環境に適応できずに死んでしまいます。
また、観賞用の石や貝殻などを設置した際に、水の硬度が変化することもあります。 底床に新しいソイルを入れたり、流木を処理せずに入れたりすると、ph値が下がりバクテリアに影響を及ぼす場合があります。
餌や糞の分解によって生成される硝酸やリン酸もph値を下げる原因となります。ph調整剤の投入にも注意が必要です。
その他、十分にカルキ抜きされていない水によって塩素濃度が上がったり、エアレーションの不足で酸素濃度が下がったりした場合にも、バクテリアの大量死につながります。
白濁に思い当たる原因が見つからない場合には、水質検査キットを使用して水槽内の水の状態を確認してみることをおすすめします。
毎日のえさやりくらいなら、それほど手間はかかりません。えさをやりながら水槽を眺めるのも楽しいでしょう。
ただ、水換えや掃除はとても大変!最初の1~2回は楽しいかもしれませんが、慣れてくると面倒で、ついついサボってしまったり…。自宅の場合に多いのが、忙しいと時間もとれずに、水槽がどんどん汚れていってしまいます。忙しい日々の癒しのためのアクアリウムなのに、手間が増えてしまっては残念ですよね。
そこで検討したいのが、専門家のメンテナンスサービス。
面倒なメンテナンスを一括して委託できるので、私たちはアクアリウムの楽しいところだけを味わうことができます。毎月、定期的にきてもらうこともできるし、来てもらった際に「こんな雰囲気に変えたい」「あんな魚を入れて楽しみたい」といったリクエストもできちゃいます。まさに、自分専任の水槽コンシェルジュってところでしょうか。
メンテナンスは専門家に任せて楽しむのがオススメです。
忙しい日々の癒しのためのアクアリウムなのに、汚れたり、手間が増えてしまっては残念ですもんね。
アクアリウムにとって、水の美しさは命です。水が濁ってしまうと、まず見た目が良くありません。そして、そんな水の中で生活している魚や水草の成長にも悪い影響を与えてしまいます。水の入れ替えは適切な頻度で行い、常にきれいな状態を維持できるようにしましょう。
水は、明らかに濁っていたり色が変わっていれば、水質が悪化していることは一目見てわかりますよね。しかし、水がまだ透明なときでも傷んでいる可能性があります。どうして透明で問題がなさそうな水なのに、傷んでしまうのか…その理由は菌の繁殖です。エロモナスやカラムナリスといった菌が水の中で繁殖しています。人が見てわからないので、水替えはまだ必要ないだろうと思ってしまいます。まず影響を受けるのは魚ですね。魚に病気が出始めて、初めて菌の繁殖に気が付くでしょう。
菌が繁殖する理由は、掃除不足です。水の中に汚れやフンが増えると、それを餌にするバクテリアが増えます。バクテリアは水をキレイにしてくれる存在なのですが、たまりすぎると雑菌の餌となってしまい、菌が増殖してしまうのです。
適切なタイミングで水替えをしてあげなくてはいけないのですが、そのタイミングがいつなのかを把握しているでしょうか?水槽のサイズや魚の生体数にもよるのですが、60㎝水槽で魚が5匹~10匹ぐらいなら、夏は1週間に1回、冬は2週間に1回は替えてあげるべきです。もう少しこまめに替えても良いぐらいです。夏は水温が高くなりやすいため、菌もより繁殖します。冬の2分の1程度の頻度で水替えをしてあげましょう。
水替えをする目安として、水質検査薬を使いましょう。水はこまめに換えたほうがいいとはいえ、魚にとっては常に新しい水に替えられてしまうと安心して過ごすことができません。過剰な水替えにならないために、水質検査薬で水の状態をチェックしてください。
事前にどんな水になっているかをチェックすることで、適切な水替え時期が把握できるでしょう。
水質検査薬では、アンモニア・カルキ・pH・亜硝酸・硝酸塩などがチェックできます。チェックしてみて、アンモニアと亜硝酸がほとんど検出されず、硝酸塩が検出されれば正常な水であると判断できます。アンモニアと亜硝酸が高濃度の場合は、すぐに水替えが必要ですし、硝酸塩の数値が高くても水替えをおすすめします。
カルキ、塩素は、水道水に含まれている殺菌成分です。水道水を水替え用の水としてそのまま使うのはNGですよね。有益なバクテリアも殺菌してしまいますし、魚のエラも痛むといわれています。水槽に入れるときはカルキ抜きをしなくてはいけません。十分にカルキが抜けていない場合は水質検査薬によってカルキが検出されるので、カルキ抜き剤で抜いてあげましょう。
GHという数値を測れる検査薬もあります。GHは、水の硬度のことです。カルシウムやマグネシウムが増え過ぎると、総硬度も高くなるでしょう。水草や魚が育ちづらくなるので、硬度が上がり過ぎた水も替えなくてはいけません。岩や砂利などからミネラルが少しずつ溶け出して硬度が上がっていくのですが、魚によっては硬度の好みが異なります。例えば、岩場で生活している魚であれば硬度はある程度高いほうがいいです。しかし、軟水を好む魚にとっては暮らしづらい環境になります。硬度の上り過ぎはどの魚にもあまりいい影響はないのですが、適度な硬度は必要かもしれません。飼育している魚に合わせて適切な硬度を保ってあげてくださいね。
海水魚を飼うアクアリウムを、マリンアクアリウムといいます。普通のアクアリウムではちょっと物足りなくなってきた、もっと色鮮やかで美しいアクアリウムを作りたいとなると、熱帯魚ではなく海水魚を…と考える人が多いです。
マリンアクアリウムは気を付けなくてはいけないこともたくさんあるので、飼い始めてから失敗する…なんてことがないよう、事前準備が必要です。
海水魚は当然、海水の中でしか生息することができません。近くに海があって海水を汲むのが可能なら話は別ですが、海水がない場合は人工海水を作って水槽に入れる、という作業が必要です。海水は塩が入っているからと言って、スーパーで売っている塩を使えばいい…というわけにはいきません。塩水ではなく、海水が必要なのです。
熱帯魚と同じように、小型の海水魚であれば小さな水槽でも問題ないと考えてしまいがちですが、実は水槽選びで失敗してしまう人も多いです。海水魚は温度の変化にも弱いので、小型の水槽だとすぐに水温が変わってしまいます。
水温の変動で魚が弱ってしまう可能性があるので、大きめで水が多めに入るものを選んでくださいね。水槽サイズとしておすすめしたいのは、小型の海水魚であっても45㎝以上です。
水道水には、塩素が使われています。これは消毒のためで人体に影響がない程度の微量なものなのですが、人間よりも海水魚はとてもデリケートです。カルキ抜きをすることで水道水を中和できるでしょう。
カルキ抜きを購入することをおすすめしますが、費用をかけたくないという場合はバケツに水道水を入れておいて日光に1日当てておくことで塩素を抜くこともできます。
熱帯魚とは砂も違います。サンゴ砂を使うのが基本です。海水魚が過ごしやすい弱アルカリ性の水質を保ちやすくするので、ぜひ使うようにしましょう。粒の大きさは好みで選べばいいのですが、細かすぎず粗すぎないものをおすすめします。細かすぎると水流で舞ってしまうので水が汚く見えてしまいますし、反対に粗すぎると隙間に汚れが蓄積します。
カクレクマノミは海水魚の中でも最も有名といってもいいほどではないでしょうか。「ファイテイングニモ」で登場した海水魚です。一躍人気となり、今でも根強い人気があります。
大きさは10cm程度で小型ですが、色鮮やかで存在感があります。オレンジ色のボディに白のラインが入っています。また胴とヒレには黒い縁取りがあるので、より一層色が引き立ちますね。海ではイソギンチャクとの共生をしており、住処にもしています。その代わりにイソギンチャクの餌を運んでくることで、お互いに関係を保てているのです。
人気で有名な海水魚であることから、手に入れるルートはたくさんあります。ペットショップやホームセンターでも手に入れることができるでしょう。販売されているカクレクマノミには2種類あり、国内で繁殖されているものと野生のもので分けられます。
繁殖されたものは、生まれたときからずっと水槽の中で育ってきました。そのため、水槽で飼育することを考えれば繁殖されたカクレクマノミのほうが飼いやすさは勝っているでしょう。ただし、産地にこだわりたい、やっぱり野生じゃないと…と考える人は野生をおすすめします。
カクレクマノミが好んで食べるのは人工飼料です。小エビ・イカなどが入っており、固めて乾燥させています。人間にとっても、人工飼料なら手軽に手に入りますし、手間がかからずに便利です。
ただし、養殖のカクレクマノミなら人工飼料でも問題なのですが、野生のカクレクマノミは人工飼料を食べない可能性があるので要注意。とはいえ、ショップにいる間は野生のカクレクマノミでも人工飼料を食べている場合も多いので心配ありませんが、特殊な餌を与えていたかどうかを聞いて、同じ餌を用意するといいでしょう。そして徐々に人工飼料を使うようにして、切り替えていけるといいですね。
1日1回の餌で十分です。気を付けたいのはあげすぎですね。下に落ちてしまった餌は食べない性質があるので、落とさないために大量にはあげないようにしましょう。下に沈んでしまった餌はゴミとなって水質悪化につながります。少しずつ、食べるのを眺めながらあげることをおすすめします。
熱帯魚からそろそろ海水魚も…と考え始めたとき、ネックになるのが魚の弱さだといわれています。非常にデリケートな魚が多く、せっかく飼ってもうまく育てられなかったらどうしよう、と思いますよね。カクレクマノミは海水魚の中でも比較的飼育がしやすく、強いとされています。初心者向けの魚でもあるので、マリンアクアリウムに挑戦したい場合は第一候補の魚として考えてみてください。
色々な種類の海水魚を一緒に飼いたいと思っても、気を付けなくてはいけないのが組み合わせです。カクレクマノミは非常に縄張り意識が強いため、ほかの魚と混泳させる魚としては向いていません。もしも混泳させるのであれば、同じように縄張り意識が強い魚ではなく、ハゼ類やおとなしい魚をおすすめします。
カクレクマノミはイソギンチャクと共生している魚である、とご紹介しました。イソギンチャクも一緒に飼ってあげることで、カクレクマノミにとってより良い環境であることは間違いありません。
しかし、問題はイソギンチャクの飼育がとても難しいことです。カクレクマノミよりもきれいな水を好みますし、照明や水流にもこだわらなくてはいけません。ちゃんと飼育をしようとするとかなりのコストがかかるでしょう。イソギンチャクは死んでしまうと水を汚すので、カクレクマノミにその影響が出てしまいます。
イソギンチャクは水槽で飼育するカクレクマノミに必要性はないとされています。どうしても…という場合を除き、イソギンチャクはなしで飼育することをおすすめします。
海水魚を飼うときの注意点でもご紹介したように、水槽内の人工海水をどれだけいい状態で保てるか、が大切です。いくら強いカクレクマノミであっても、やはり人工海水が薄かったり濃すぎたりすると体調を崩してしまいます。
実は人工海水の濃度を調整することが、マリンアクアリウムを作る中で非常に難しい、とされています。また一度作ってそれで終わりではありません。人工海水の濃度は日々変化しているので、こまめなお手入れが必要となります。どれぐらいの濃度が好ましいか、そしてどれぐらいで濃度が変化するのか、など…最初は試行錯誤しながらになりますが、頑張ってみて海水濃度の調節を行いましょう。
ミドリフグは、温暖な地域に住んでいる汽水性の魚です。その見た目がなんとも言えない癒し系だと人気が高まりました。フグらしい丸みもちゃんとありながら、サイズが小さいのでとてもかわいい見た目をしています。汽水性の魚というのは、いわゆる川と海の中間、淡水と海水の間に生息する魚のことです。ただしミドリフグは成長をすると海水域に生息の場を移動させます。
ミドリフグを見かけるときはほとんどが幼魚であるため、2㎝~3㎝程度です。しかし小さいままではなく、その後5倍程度に成長します。それでも15㎝程度ですが、小さなときに合わせて水槽を買ってしまうとミドリフグにとって狭い環境になってしまうので、ちょっと大きすぎるかな?というぐらいの水槽をおすすめします。
ミドリフグに適している水温は25℃から26℃となります。ただし、多少前後するぐらいは問題ありませんので、22℃~28℃ぐらいの間でOKです。水温管理はそれほど難しくないですが、冬や夏は温度変化に気を付けましょう。
続いて水質については、弱アルカリ性が好ましいです。目安はPH7.8~PH8.5程度となります。水質の調節に役立つのはサンゴ砂。少しずつアルカリ性の水にしてくれるので、とても手軽です。
ミドリフグが好んで食べるのは、赤虫やクリル、しじみなどです。人工飼料でもOK。1日2回を目安として与えます。ミドリフグはよく食べる魚なので、あげればその分食べてくれます。しかし、あげすぎには気を付けてください。食べすぎると免疫力が低下するので、感染症を起こしてしまいます。また、食べ残したものが水槽にたまれば汚れも増えるでしょう。水質を悪化させないためにも、あげすぎないように気を付けたいところです。また食べたら食べた分だけ糞を出します。さらに水が汚れやすいのでお手入れはこまめにしなくてはいけません。
高いろ過能力があるフィルターを設置すると、水質の悪化が防げるでしょう。
ミドリフグは隠れ家として水草があったほうがいいのですが、汽水に適している水草はあまり種類がなく、いいなと思う水草を入れてみても、腐ってしまって育たない可能性があります。おすすめはウィローモスです。汽水とも相性がいいですし、枯れないので助かります。ただ、枯れない代わりに成長しないのも特徴的。お手入れする手間が減るので成長しないウィローモスを好む人も多いです。
汽水性の魚を飼育するときは海水魚と同じ塩分濃度にはできません。塩分濃度の調節が何よりも大切といえるでしょう。飼い始めは海水の4分の1程度、成長するとともに塩分濃度を少しずつ上げていき、最終的には海水の2分の1程度に変える必要があります。成長するたびに変化させなくてはいけないため、塩分濃度管理がとても難しいので、本格的にマリンアクアリウムに取り組む人向けの魚といえるでしょう。
こういった難しい管理は面倒、だけどミドリフグを飼いたいというときには、プロに任せてしまうのがおすすめです。プロであればどれぐらいの塩分濃度が適切なのかをその都度確認してもらえます。
アクアリウムには必須である水草ですが、定期的に剪定をしなくてはいけません。水草というか、海草と呼びますね。とはいえ、ちゃんと剪定しないと水質も悪化してしまいますし、アクアリウムとしての見た目も損なわれてしまいます。
海水魚用で人気があるのはウミブドウです。人間も食するものですが、海水魚の餌としても使われています。白点病を予防することもできるので、取り入れておきたいですよね。ただし、ウミブドウは増えすぎることが問題とされています。増えすぎてしまえばその分お手入れする手間も増えますし、もしも腐ってしまったら臭いが部屋中に蔓延します。
面倒なことを避けるために、海水魚には水草を入れないという選択肢もありますが、それでは見た目が美しくなくアクアリウムとしては物足りなさを感じてしまうでしょう。
デザイン水槽でつくる自分だけのパーソナルアクアリウム入門