水槽をインテリアに!アクアリウムガイド

レイアウトのコツ

アクアリウムのレイアウトについて、基本から照明、コケ対策までを解説。ちょっと変わった水槽の例も紹介!

ココだけは押さえたい、アクアリウムのレイアウトのコツ

アクアリウムをはじめるにあたって、もっともセンスが問われるのが水草や石、小物などのレイアウト。ずっと眺めていても飽きないような美しいレイアウトにしたいものですよね。

見ていて面白くない水槽ではせっかくの苦労も台無し。そこで、水槽が美しく見えるレイアウトの基本をまとめてみました。アクアリウムをはじめて立ち上げる方は、水槽をセッティングする前にぜひ読んでみてください。

水草のレイアウト

美しく見せるためのレイアウトのポイントを紹介します。

1.背の低い水草を前に、高いものをうしろに

背の高い水草を手前に配置すると、圧迫感が出てしまいます。

しかも、成長後に水槽全体を見えにくくしてしまいます。そのため、手前には背の低いもの、奥に行くにつれて背の高い水草を配置するとよいでしょう。

2.種類の違うものを隣どうしに

ココだけは押さえたい、アクアリウムのレイアウトの基本色や雰囲気の似た水草を近くに配置すると、変化に乏しいボンヤリした印象になります。

雰囲気の違うものを並べて、メリハリをつけましょう。

3.活着を活用する

石や流木に根を張る、いわゆる活着する水草を使うのもポイント。

通常は流木や石に縛って使います。その場合、レイアウトの変更のときに活着を壊さなければなりません。

そこで、小石に巻きつけるのが賢い方法。素材を崩さずに、レイアウトの変更がしやすくなります。

まずは基本的な構図を知ろう

上級者になれば、レイアウトは自分の感覚でできるようになります。しかし、基本の構図は守ってレイアウトしている人がほとんどです。基本ができていないと、なんだか統一感がないアクアリウムになってしまいます。基本をキープしたまま、上級者なりのアレンジを加えて楽しんでいる人が多いでしょう。しかし、アレンジOKなのは上級者だからです。初心者は基本に忠実にレイアウトするようにしましょう。基本として3つの構造をご紹介します。

三角構造

三角形を描いたように水草や流木などを配置することを、三角構造といいます。左右どちらかと底が垂直になるように配置します。例えば、左側と底を垂直にしたら、左から右に下がっていくという構造ですね。3つの構造の中で、一番簡単で初心者には最も挑戦しやすいでしょう。

三角構造のポイントは、高い部分と低い部分を極端に変えて高さを演出すること、です。一番高い部分は水面のギリギリまで高くし、一番低い部分は底砂ギリギリまで低くしてください。傾斜をできる限り作ってあげるとレイアウトとしては美しいです。簡単にできるので、どの構造を選んでいいかわからない場合は、まず三角構造を試してみてください。

凸構造

基本構造となっている凸構造ですが、あまり用いられることがないといわれています。それはどうしてかというと、比較的難しい構造だからです。凸の形になるように、水槽の真ん中を高く際立たせます。背の高い水草を用いたり、ボリュームのある水草を使ったりしながら凸の真ん中部分を作っていくのですが、その形を保つために大事なのは水草のトリミングです。ちゃんと凸の形が維持できるように、こまめなお手入れを必要とします。

そのため、初心者でまだお手入れの方法もわからない段階では実践しづらく、上級者でもこまめなお手入れが好きな人しか用いることがありません。凸構造の水槽はあまり見かけないかもしれませんね。

そして、人工物の存在をいかに隠すか、というのも大事なポイント。基本構造ではありますが、レイアウトとしては難しく挑戦しづらいでしょう。きれいな凸構造をしている水槽は、とても手間がかかっている、ということですね。

日本人の誰もが美しいと感じる富士山も、ある意味凸構造になっていますよね。富士山が美しいように、凸構造もちゃんとお手入れをしてベストな状態を維持することができれば、とても美しいアクアリウムになります。お手入れ好きな人、とことんレイアウトにこだわりたい人にはぴったりです。

凹構造

凹構造は、水槽の両端にボリュームを持たせて中央のボリュームを少なくする、という構造です。まず両端と中央はちゃんと凹になるようにメリハリをつけて配置します。そのために、中央部分は水草を植栽せずに何も植えないほうがいいでしょう。水草を植えるとトリミングが必要になってしまいます。そして、もう1つ大事なポイントがあります。それは左右同じ高さにしないこと。どちらかを6にして、もう一方を4にしましょう。左右同じ大きさになると規則的な構造になりすぎて、美しさを感じなくなってしまいます。バランスを守ると、水槽内の奥行きが自然と演出できます。

実はこのバランス、人間が本能的に美しいと感じるようにできているとのこと。美しさを重視し、魅せるアクアリウムを目指している人にはおすすめです。

3つの構図で、まず挑戦しやすいのが三角構造ですね。凸構造や凹構造も、ある程度アクアリウムについて詳しくなったらぜひ実践してみてください。やってみて、自分がいいなと思える構造を見つけましょう。そして、慣れてきたらさらにアレンジを加え、自分だけのレイアウトを見つけられるといいですね。

底砂

底砂の種類によって、適した水草は異なります。底砂の種類を簡単にまとめてみました。

ソイル

田んぼの泥を焼いて固めたものです。栄養素や水質の調整の役割も持っています。

栄養系と呼ばれるものは肥料がふんだんに含まれていて、長期的に安定した水槽づくりに役立ちます。もうひとつ、吸着系と呼ばれるものは、水槽の初期管理が楽ですが、長期的に使うには不便が多いものです。

ソイルはほぼすべての水草が育つので、便利です。

砂・砂利

砂や砂利は、かなりの長期維持を考えている場合に使います。多くの水草に適していて、活着する水草にも向いています。ただし、肥料のコントロールや水質調整の役割はないので、自分で調整する必要があります。

サンゴ砂

砕けたサンゴを使った砂です。水質をアルカリ性にするので、適応する水草は限られています。

ガラス系

アクリルの人工砂です。ビー玉などもこれに分類されます。どちらかといえば装飾のために使われます。

底に傾斜をつけてみよう

底砂はただ平らに敷くのでなく、傾斜をつけると奥行きが出ます。たとえば、手前が4cmなら、奥は14cmほどになるように傾斜をつけてみましょう。

最初は違和感があるかもしれませんが、水草が育つと立体的で奥行のあるアクアリウムになります。

照明

照明の使い分けも、水槽の印象を大きく変えるもの。上手に使い分けましょう。

蛍光灯

昔からよく使われるもので、比較的安価です。全体を照らすので、影ができにくのがメリット。色もバリエーションがあります。

そのかわり頻繁に交換が必要なのと、深さのある水槽は底まで光が届かないことがあるのがデメリットです。

メタルハイドライド

高価ですが、圧倒的な光量があります。水のゆらめきを美しく作ってくれるので、上手に使いたい照明です。

また、蛍光灯のように水槽の上を覆ったりしないので圧迫感がなく、陰影を狙ってつくりやすいという利点も。コストさえ考えなければ、非常に人気が高い照明です。

LED

電気代が安く、水温が上がりにくいLED。球の寿命が非常に長くて便利なのですが、ものによっては水草が育たないこともあります。

蛍光灯がベスト?

コストや手間を考えると、今のところは蛍光灯がベストだと思います。予算がある場合に、メタルハイドライドもよいでしょう。

LEDは、水草が育つものはまだまだ高価です。コスパが悪いので、それならほかの2種類を選ぶのが賢い選択ですよね。

コケ対策

水槽の管理で必ず経験するのが、コケの発生。私たちが悩まされるのは、主に3種類です。

茶ゴケ

最初に発生するのは、おそらくこの茶ゴケ。水替えなどで取り除くことができます。通常は放っておいても大丈夫で、自然になくなります。スポンジでもカンタンに落とせます。

アオミドロ

照明が強すぎたり、水中の養分が多すぎると発生するコケ。魚が泳げなくなるほど繁殖することもあるので、コケ対策のエビを入れたり、ホースで吸い出して遮光することで繁殖を抑えるのがポイント。

黒ひげゴケ

水槽を立ち上げてから時間が経つと発生するコケ。ろ過器などの機材についたものはいいのですが、石や流木につくと厄介です。削り落として除去しなければなりません。水換えの回数が少ないと発生するので、定期的に水換えをするよう気をつけましょう。

配色にも気をつけよう

アクアリウムのレイアウトを考えるときには、配色にもこだわることをおすすめします。配色で気を付けたいポイントをいくつかご紹介します。

水草(緑色)のグラデーションを意識する

水草のメインとなる色は緑ですが、同じ緑でも濃度はそれぞれです。濃くて深い緑もあれば、薄くて明るい緑もありますよね。

配色としておすすめしたいのは、グラデーションになるような状態です。いろいろな緑がひしめき合っているアクアリウムは、美しいというよりも少し騒がしくなってしまいます。統一性がなくなってしまう可能性もあるので、キレイに見せるためにもグラデーションを意識して作ってみてください。

水草(緑色と赤色)のコントラストを作る

水草を緑色だけで作り上げると、統一感がある反面物足りなさを感じることがあります。その場合、水草の色を緑色以外に赤色も入れてコントラストを作ってみましょう。

赤といっても水草の場合は少し茶色がかったレンガ色が基本となるので、緑色との相性も抜群です。緑色の水草を全面に配置し、中央部分にまとめて赤色を入れるとメリハリが出るアクアリウムになるでしょう。

熱帯魚とのコントラストを考える

アクアリウムと言えば、やはり熱帯魚が肝心であり主役となります。水草は緑色で控えめにして、熱帯魚で華やかさや鮮やかさをプラスするというのが基本の作り方といえるでしょう。

色合いとしてやはり相性がいいのは、赤やオレンジっぽい熱帯魚ですね。緑色とのコントラストがはっきりしていないと目立たないので、熱帯魚の色にもこだわってみてください。

また同系色であってもはっきりとした発色のある青であれば相性がいいでしょう。

奥行きの演出

アクアリウムで大切な「立体感」がちゃんと演出できているかどうかで、仕上がりが変わります。同じ熱帯魚・水草を使っていても、立体感がある作り方ができているかによって見た目は大きく違うでしょう。

水草の配置で奥行きを見せる

奥行きの演出で最も簡単なのが、水草の色合いを変えることです。手前のものは目にはっきり映る反面、奥のものは少しかすんで映ります。

これは大気中の微粒子がそうさせているのですが、この映り方を利用してみましょう。色が濃いものを手前のほうに、そして色が薄いものを奥に配置するだけで自然と奥行きを出すことができます。

これは目の錯覚なのですが、空気遠近法などとも呼ばれています。

色で奥行きを見せる

水草やソイル、石や木などを選ぶときに意識してほしいのは色です。暖色と寒色、大きく分けて色は2種類ありますが、人は暖色のほうが近く感じ、寒色のほうが遠く感じるのだとか。

そのため、色が濃いものを手前にする、そして色が薄いものを遠くに置く、ということを心がけてみましょう。空気遠近法と似ていますが、こちらは色彩遠近法と呼びます。水草以外のものを配置するときは、色彩遠近法を利用してレイアウトを決めるといいでしょう。

大きさで奥行きを見せる

人間の目の錯覚を利用する奥行きの演出は、そのほかにもあります。それは大きさの違いです。同じ大きさのものでも、近くにあるものは大きく見えて、遠くにあるものは小さく見えますよね。

写真を撮るときに、周りからさっと1歩引いて写真に写ると顔が小さく見える…とよく言うものです。この目の錯覚を利用してアクアリウムを作ってみましょう。

手前には大きめの水草や流木などを置き、奥に行くにつれて小さめの水草や流木などを配置します。それだけで奥行きが出るので、実はとても簡単な演出です。

道を作る

アクアリウムの中に道を作る方法も最近は人気があります。化粧砂を使って作っていきますが、手前の道は少し広め、そして奥に行くにつれて細くしていきます。

道があることで奥があると思わせると同時に、視線で道を辿っていくことで奥行きが感じられます。

京都に伏見稲荷という有名な神社がありますが、鳥居がずらっと並んでいる写真は見たことがないでしょうか?かなりの奥行きを感じることができますよね。それと同じように小道を作って奥行きを演出してみましょう。

人工物について

選ぶ際は無害なものを

人工物を使うようになれば、さらにアクアリウムの楽しさを感じることができます。自分らしいオリジナルのアクアリウムが完成するでしょう。

しかし、人工物を使うときにまず気を付けなくてはいけないことが、無害であるかどうかという点です。アクアリウムは見た目だけではなく、熱帯魚の健康に害を与えないことを一番に考えなくてはいけません。

また熱帯魚に対してだけではなく、水草も生き物です。人工物で有害なものや塗料や成分が溶け出してしまうものを使えば、それだけでアクアリウムがみるみる汚れてしまいます。

アクアリウムは手をかけることも楽しみの1つと考えている人ならいいですが、忙しい中でお手入れにも時間を取られてしまうのはちょっと…と考えている人は特に、人工物の選び方には気を付けましょう。

さらに、形状にも気を付けてください。とがりすぎているものは避けてくださいね。どれだけおしゃれだな、かわいいなと思うものでも有害な物質を出さないかどうかをまずチェックしてください。

人口水草

水草は天然のものもありますが、お手入れが難しいものも多いです。ちゃんと育たなかった…なんて経験がある人も多いのではないでしょうか。

光や酸素と二酸化酸素のバランスなどもこだわらなければ、天然の水草を健康に育てることができません。アクアリウムに挑戦したいけど、そこまでこだわることができない…とか、育てるのが難しい人には人口がおすすめです。

ただし、すべてを人口にすると作り物感が出てしまいますので、一部だけ人口にする、という使い方をする人が多いでしょう。

人口水草は天然の水草よりも色が鮮やかなものも多いので、配色も考えやすいですし、奥行きの演出もしやすくなります。

また、稚魚の隠れ家としても使えるでしょう。一部を人口水草にするだけでも、水質の悪化も最小限にとどめることができ、お手入れも簡単です。

シェルター

シェルターというとかっこいいものを思い浮かべるかもしれませんが、土管のような形をした人工物です。魚たちが隠れ家として使うことが多いため、配置を考えて1つは入れておくといいでしょう。

船や家

水の中ということで、沈んでいる船を使う演出が人気です。また定番で人気があるのは家ですね。複雑な作りになっていることもあるので、お手入れは欠かさないようにしましょう。こまめに汚れを落として、水質が悪化しないようにしてくださいね。

また、船や家の場合は塗料が使われていることも多いです。時間の経過とともに塗料が出てしまわないかを確かめ、大前提である「無害であること」を大事にして選びましょう。

石や木

人工物を使いたいけど、極力天然に近いような雰囲気を出したいというときには石や木の人工物をおすすめします。天然の木や石もありますが、やはりこちらもお手入れが面倒です。ちゃんとお手入れしないとすぐにダメになってしまうでしょう。

人工物なら長持ちしますし、汚れをちゃんと落としていればずっと使えます。ここで大事なのは、いかに天然に近い状態のものを探せるか、というところです。

石や木は船や家などのように人工物であることが分かってしまうと、アクアリウムそのものが人工的に見えてしまいます。

こんなレイアウトはいかが?魅力的なアクアリウムを紹介

アクアリウム デザイン画像1

奥は底が高くなっており、立体感があります。密集している水草も美しいですね。

アクアリウム デザイン画像2

こちらも水草の高さ、色づかいのバランスがよく、流木の使い方もセンスがいいです。

アクアリウム デザイン画像3

これはちょっと変わったレイアウト。スーパーマリオの世界をアクアリウムで再現しています。

レイアウトの専門家に依頼する

ここまでレイアウトのコツを紹介してきました。これらのコツを守ればある程度は形になりますが、それでも初心者が上手につくるにはやはり時間がかかります

それなら、専門家にレイアウトを作ってもらうほうが、はじめからアクアリウムを楽しむことができるんじゃないかと思います。メンテナンスも合わせてお願いできるので、苦労がなく、趣味として長く楽しめることは間違いありません

「レイアウトづくりを楽しみたい!」という強い動機があるのでなければ、はじめからプロに頼むことも検討してみる価値があると思います。

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